研究概要

 本研究は、子どもの貧困を多方面から研究する科研費研究プロジェクト『令和4(2022)~令和8(2026)年度科学研究費助成事業 学術変革領域研究(A)貧困学の確立:分断を超えて』の中の研究班の1つである。主な目的は、外国にルーツを持つこと(移民であること)と、貧困に関連する要素が複合的に作用することによる子どもへの影響を明らかにすることである。

 近年、日本では外国にルーツを持つ子どもが急増し、多様化も進んでいる。これまでの移民研究では、外国籍者の低収入傾向や労働市場おける不利とともに、その子どもたちの学校不適応、低進学率、いじめ、親子関係の悪化などが指摘されてきた。こうした問題群は、貧困世帯の子どもについて明らかにされてきた問題群と重なる部分も多く、貧困であることと、外国にルーツを持つことに関連する作用の結果であると推測される。

 本研究では、外国にルーツを持つことと貧困の交互作用を明らかにするとともに、家族の状況、居住地域の特性(貧困率、都市の規模や外国人居住率)、地域や学校における外国人支援施策やサービスの充実度、エスニック・コミュニティの有無などが媒介することによって、子どもへの影響がどのように緩和/強化されるかを検証し、外国にルーツを持つ子どもの不利のメカニズムを解明する。

ABOUT US

メンバー一覧 

写真の左から順に山本(代表)、千年、周、張、聶です。


〇 山本 直子 (代表研究者)

 東洋英和女学院大学国際社会学部 専任講師

 研究分野:社会学(移民)

 研究テーマ:外国ルーツを持つ子どもの貧困の分析など

〇  周燕飛 (分担研究者)

 日本女子大学人間社会学部  教授

 研究分野:経済学(労働経済学、社会保障論)

 研究テーマ:外国人雇用政策、外国ルーツ児童の肥満問題など

〇 千年 よしみ (分担研究者)

 国立社会保障・人口問題研究所 特任主任研究員

 研究分野:社会人口学

 研究テーマ:外国ルーツを持つ子どもの生活実態の分析など

〇 孫詩彧 (公募研究)

 国際日本文化研究センター 助教

 研究分野:社会学(家族社会学・ジェンダー研究)

 研究テーマ:外国人の子育てと住まい、エスニシティ・ジェンダー・貧困に着目する実証研究

〇 聶 逸君(R4~R5年度リサーチアシスタント)

 日本女子大学人間社会研究科社会福祉専攻 博士後期課程1年

〇 張 露(R4~R5年度リサーチアシスタント)

 日本女子大学人間社会研究科現代社会論専攻 博士前期課程2年

お問い合わせ

    山本 直子(Naoko Yamamoto)

 東洋英和女学院大学  国際社会学部

 〒226-0015 神奈川県横浜市緑区三保町32

 Tel(直通) 045-922-7734

 e-mail yamamoto.naoko★toyoeiwa.ac.jp(ご連絡時は★を@に置き換えてください)